学習指導要領や教科書から振り返る。日本の教育の歴史。【教育の現代化編】
こんにちは!
JAPANくんです。
数回に渡ってシリーズ的に『学習指導要領』についてまとめております。今回が3回目。
3回目なのでしつこいですが、学習指導要領とは何か?文科省のホームページから拝借するとこんな感じ。
全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするため、文部科学省では、学校教育法等に基づき、各学校で教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準を定めています。 これを「学習指導要領」といいます。
地域による教育内容にバラツキが出ないように、国が定めたカリキュラムで、約10年に1回改定されます。
今回は、『教育の現代化』の時代の教育について見ていきたいとおもいます。
前回の記事で少し触れましたが、この時代はスプートニク1号をソ連が世界で初めて打ち上げたことを契機に、日本国内でも、科学教育の向上が求められるようになりました。
学習指導要領や教科書から振り返る。日本の教育の歴史【系統学習編】 - 大学受験と数学とわたし
1つ前の指導要領で推し進められた『系統学習』を軸とした教育は生活単元学習の課題を埋めるべく作られたが、当時の教員の努力により浸透しつつあったものの、基礎的な力をつけるにとどまっているとの見方が強かったのです。
もっと「科学的な力をつける教育を!」という社会的要求から特に算数・数学教育が『現代化』されることになりました。
内容としては、小学校の算数では現在高校の「数学Ⅰ」で扱っている集合の考え方を軸にして、算数教育をしていました。
当時の新しい数学である集合論を入れたことや、集合の考え方で学年感の筋が通ってることは評価できます。
しかし、内容が高度で上滑りしている印象を受けます。
例えば小学校の教科書に多変数関数的な考え方が出てきたり、あとは小学校二年生の計算もおぼつかない時期に『数の結合法則』を教えたりするのです。
例えば今の小学校二年生の問題だと二桁の足し算とかをやりますよね。
例えば 11+23+14=?
と聞かれたら迷わず
48!!
と今の子は答えると思うんですよ。
でも、数学教育の現代化当時の子どもたちは集合論の考え方のもと数学の理論を叩き込まれるので、
11+23+14=11+(23+14)
と答えてしまうのです。
そう。実用的な計算ができなかったりふるのです。
中学校の数学では今の高校1-2年生レベルの数学を扱い、高校数学では今で言う数学Ⅲ(理系コースの子だけがやる微積分中心のめちゃめちゃむずかしいと言われている数学)と大学レベルの数学を扱っています!!
すると…
どんな世の中になると思いますか?
そう。学校の内容が難しすぎてついていけない子が続出したんですね。
あとは、急に教育内容が高度になりすぎて教員側もついていけませんでした。
いわゆる『落ちこぼれ』ということばができたのもこの時期だそうです。
昭和48年にある教育研究所が行った調査で、小学校6年生の64%が算数がよくわからないと答えたデータも残っています。
日本も含めて世界的にも一気に『教育の現代化』批判の機運が高まり、ついにアメリカが動いて…
みなさんよくご存知の〇〇〇教育の方へ舵が切られていきます。
次回へ続きます。