学習指導要領や教科書から振り返る。日本の教育の歴史【系統学習編】
こんにちは。JAPANくんです。
日本の教育の歴史シリーズ2作目。
今日は「系統学習」を軸とした時代について見て行きましょう。
👇1つ前の改訂についてはこちらをご覧ください。
念のためおさらいですが、学習指導要領とは何か文部科学省のHPから引用します。
全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするため、文部科学省では、学校教育法等に基づき、各学校で教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準を定めています。 これを「学習指導要領」といいます。
学習指導要領は昭和22年に試案ができて、以降約10年ごとに改訂を繰り返して今にいたります。今回は2回目の大きな改訂である昭和33年の学習指導要領をみていきましょう。
この1つ前の学習指導要領で軸となっている「生活単元学習」は、戦後の復興のために目の前の課題を解決していくことに主眼が置かれていました。
当時の時代としては大事なことだったのですが、昭和32年に世界的に非常に大きなことが起こります。
なにかわかりますか?
昭和32年にソ連が世界にさきがけて、人工衛星「スプートニク1号」を打ち上げました。
それで世界はざわつくわけです。
「うおおおおおおおお!スプートニクたん萌ええええええええええええ!!!」
みたいな感じでしょうか。笑
日本もソ連が世界ではじめて人工衛星を打ち上げたことで、理数教育の教科をしてこれからの時代に対応できる人材を育てなくては!という機運が高まります。
そういう意味で、生活単元学習を軸にした教育をうけた子どもたちの「学力低下」が叫ばれるようになりました。
生活単元学習時代のトピック的な問題がのっている教科書から、学問の系統性を意識した内容に変わって行きました。
ただ「生活単元学習」のいいところは継承しようという内容です。
例えば小学校の単元もきちんと学年ごとの発達段階を意識したものになっています。
小学校の「体積」の学習内容で言うならば
小1…水をコップではかり比べる(任意単位)
小3…リットル・デシリットルの学習(普遍単位)
小4…体積・容積
小5…大きな体積の単位(キロリットルなど)
小6…角柱や円柱の体積・水の重さと体積
今の小学校の算数より少し高度な内容をやっていますね。容積の話は中学受験のテキストには出てきますが、教科書には登場しません。
密度の概念も小6でやるんですね。こんな感じで「課題解決」から「学習の系統性」に大きく舵を切ったのですが…
まだまだここから日本の教育は大きくかわるのです。
続きはまた次回。